第71章

最後にお粥を炊く羽目になったのは、やっぱり卑屈な三村正明だった。

怜司様のために手を洗い、出汁を取り、せっせと鍋をかき回しながら、内心ではどうしても愚痴が漏れる。

――いや、俺、病気か?

なんでわざわざ、御影社長にエプロンなんて結ばせてんだよ!!

しかも運の悪いことに、その瞬間を奥様にバッチリ目撃される。

専属秘書として、もう胃がもたない。いや、仕事が続けられない。ほんとに。

……とはいえ、心が折れてもバイトはバイト。手は止めない。

ほどなくして、豚骨粥が食卓に並んだ。

自画自賛になるが、三村正明の料理の腕は悪くない。

コクのある香りがふわりと立ち、湯気がやさしく鼻先をくす...

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